次の年

年が明けてから、結局ひと月も経ってしまった。遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

今年の抱負は、今までどおりを止めること。ここ数年、人生のターニングポイントを迫られていたけれど、何をどのように変えたものか、かいもく検討がつかなかった。昨年を通して、微かな兆しが見えてきたように思う。

私は長いこと、仕事というものに対して抱いていた、固定観念を崩すことができなかった。仕事と家庭との敷居を思い過ぎていた。仕事で何かしら達成しない限り、家庭生活を営むことはできないように思っていた。仕事で具合が悪い時期は、実家に連絡することが憚られた。何かのせいにしたい訳ではない、ただ私が育った環境に、そういう物語があった、それだけだ。

今や、子育て、家事や介護も立派な社会生活として認識されているが、意識に刷り込まれた思い込みが、なかなか思うように払拭できなかった。私にとっては、家庭を省みることも、友人との時間を大切にすることも、まず社会でひとり立ちできてこそ、許されるものだった。そのために、とにかく一人で生活できなければ、と考えていた。これまでほとんど、実家に住まう母や兄弟にも、時間や心を割くことはできなかった。友人との時間も、全て後回しだった。

しかし、この2年ばかり、人の人生はそういうものではないと、痛いほど思い知ることになった。特に昨年は、自分の生き方を全否定するに至るほどだった。

非常に辛い経験ではあったけれども、これからをより実りある生き方に変える、いいきっかけだと思った。

変えていける、変わっていけると、自分を信頼しよう。