価値があるもの

母が以前からごちていた、ダイヤの結婚指輪のこと。 もうそろそろ、リフォームに出して満足してくれそう。

母はその結婚指輪を、父が安く買った物だということと、さらに私が大学の時に父が他界したため、行き場のない不満もあってか、ここしばらく着けられもしない、売っても大して価値がない、と繰り返しこぼしていた。

リフォーム代は、かかってしまうけれど。品質の良いダイヤだと、繰り返し褒められていたし、私もそう思う。 結婚当時の貧乏の中、小さいが綺麗なダイヤを、よく買ったものだと思う。小さい頃から眺めさせてもらったから、すっかり目が肥えた。 お気に入りのデザインにしてもらって、母が着けた笑顔を、早く見たいものだな。