ひみつ

 蠍座は秘密主義だという。私は蠍座だけれども、主義とするほど秘密を持ちたがるというほどのことはない。だけど、もし個人が持つ秘密の数の平均値があるとしたなら、もしかしたら、平均よりは多いかもしれないと思う。このことについて書こうと思ったのは、結局のところ、自分が知る情報を「可能な限り早く伝える」ことができるなら、秘密を持つ必要はない。「伝えない」、もしくは「時期を待って伝える」場合、それは伝えるまで『秘密』ということになる。私はよく、人との会話について、言うべきか、言わざるべきか、をとても迷う。その結果として、秘密を抱えることが多いように思う。この自分の迷いについて、どういうものなのか、考えをまとめたいと思ったからだ。

 

 いきなり自分の思いを述べてしまうと、秘密は誰しも抱えうるものだと思う。例えが卑近で恐縮だが、居酒屋や食事処で、個室のある店が人気がある理由は、なんとなく理解できる。心を落ち着けて、ゆったりとくつろぐことができるためには、ある程度周囲から遮断された、隠された空間であることが必要だ。人間関係でも、打ち明け話をするのは、関係の深さによって相手を選ぶものだ。

 

 時期を待って伝えるのは、その情報の確からしさがあいまいな場合や、いきなり伝えても理解してもらうのが難しいと思われる場合、などがある。